出生前診断とは、胎児の染色体異常や遺伝性疾患を調べる検査です。検査には、母体血清検査(NIPT)、羊水検査、絨毛膜羊膜穿刺(CVS)などがあります。
出生前診断を受ける際には、以下の3つの点に注意しましょう。
① 検査の目的を理解する
出生前診断の目的は、胎児の染色体異常や遺伝性疾患を調べることです。しかし、検査を受ける目的は人それぞれです。
例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 胎児の健康状態を早期に把握したい
- 妊娠継続や中絶の判断に役立てたい
- 出生後の育児や介護の準備をしたい
- 遺伝性疾患の保因者かどうかを知りたい
検査を受ける目的を明確にすることで、検査を受けるかどうかを判断しやすくなります。具体的には、以下の点を検討するとよいでしょう。
- 自分の家族や親族に染色体異常や遺伝性疾患の患者がいるかどうか
- 妊娠中に染色体異常や遺伝性疾患のリスクが高まる要因があるかどうか
- 検査結果が陽性だった場合に、どのような選択をするのか
検査を受ける目的を理解することで、自分にとって最善の判断ができるでしょう。
また、検査の目的を理解するためには、医療関係者から十分な説明を受ける必要があります。検査を受ける前に、医師や看護師とよく話し合って、検査の目的や内容、メリットとデメリットなどを理解しておきましょう。
出生前診断は、胎児の健康状態を把握するための検査です。検査を受ける目的を明確にして、検査を受けるかどうかを判断しましょう。
② 検査のメリットとデメリットを理解する
出生前診断には、メリットとデメリットがあります。
出生前診断のメリット
まずはメリットからご紹介します。
メリット①胎児の健康状態を早期に把握できる
出生前診断は、妊娠10週頃から受けることができます。早期に検査を受けることで、胎児に染色体異常や遺伝性疾患がある場合、早期の治療や療養の準備をすることができます。
メリット②:妊娠継続や中絶の判断に役立てられる
出生前診断の結果は、妊娠継続や中絶の判断に役立ちます。染色体異常や遺伝性疾患が見つかった場合、妊娠継続するかどうかを慎重に検討する必要があります。
メリット③:出生後の育児や介護の準備に役立てられる
染色体異常や遺伝性疾患が見つかった場合、出生後の育児や介護に大きな負担がかかります。出生前診断の結果を参考に、出生後の育児や介護の準備をすることができます。
出生前診断のデメリット
デメリットとしては下記が挙げられます。
検査費用がかかる
出生前診断は、検査費用がかかります。母体血清検査(NIPT)は比較的安価ですが、羊水検査や絨毛膜羊膜穿刺(CVS)は高額な費用がかかります。
検査結果が陽性だった場合に中絶するかどうかの判断を迫られる
染色体異常や遺伝性疾患が見つかった場合、中絶するかどうかの判断を迫られることになります。中絶は、妊婦さんと家族にとって大きな決断です。
命の選別だという意見もある
出生前診断は、胎児の染色体異常や遺伝性疾患を調べる検査です。そのため、命の選別だという意見もあります。
メリットとしては、胎児の健康状態を早期に把握できること、妊娠継続や中絶の判断に役立てられることなどが挙げられます。
デメリットとしては、検査費用がかかる、検査結果が陽性だった場合に中絶するかどうかの判断を迫られる、などが挙げられます。
③ 検査結果の受け止め方を決めておく
検査結果が陽性だった場合に、妊娠継続や中絶、療養など、どのような選択をするのかを決めておきましょう。家族や友人、医療関係者とよく話し合って、自分たちにとって最善の選択をしましょう。
具体的には、以下の点を検討するとよいでしょう。
・胎児の染色体異常や遺伝性疾患の種類
・疾患の程度や重症度
・治療法や療養の可能性
・経済的な負担
・家族や友人の理解とサポート
出生前診断は、妊婦さんと家族にとって大きな決断を迫られることもあります。検査を受ける前に、十分な情報収集と検討をすることになると思いますし、周りの意見も聞くことになるでしょう。
最終的には夫婦が自分たちにとって最善の選択をするという道しかありません。
メリットとデメリットをよく理解した上で、慎重に検討して欲しいと思います。